頭ん中

しがないITエンジニアが、考えた事を書きます。

ふりかえり

4月から役職になります。

もともと基本的に全員が裁量労働制の会社なので、役職になって何が変わるのか実はあまりわかっていません。権限(と責任)は大きくなるはずで、良い会社にしたいという思いはあるので、できることから頑張ろうと思います。

せっかくなので新卒で入社してからの10年ちょっとを雑にふりかえります。

ふりかえり

入社後は大規模基幹系システムの保守開発をやっていました。技術要素としてはかなりレガシーな環境・言語でしたが、当時の現場やマネージャーからは、システムエンジニアとしての基礎を丁寧に教えてもらいました。受託開発企業に必要なこと、即ち、顧客の要件を十分に理解すること、品質への拘り、障害対応の心得などなど。IT素人だった私がLinuxコマンドやvimSQLなどの汎用的な技術要素を身に着けたのもこの時期でした。

次に、業務系のフロントアプリを開発するチームに配属されますが、この頃からようやくプログラミングの楽しさを知った気がします。超絶難解なソースのレビューで職人芸のようにバグを見つけるマネージャを見て、最後はやっぱりソースコードを守るのがソフトウェアエンジニアなのだと学びました。

ちょうどこの頃、Redmineを使ったタスク管理に迷いがあって、外部の勉強会に参加したのが、はじめての技術系のコミュニティへの参加だったと思います。その後はデスクトップアプリを担当していたこともあり、.NET系の勉強会に顔を出すようになりました。

コミュニティでは、テスト自動化や最新のORマッパ―など色々な話題で盛り上がっていたのですが、「でもCOBOLだしなぁ」とか「VB6じゃどうしようもねぇな」と無力感を味わったのを今でも覚えています。

リーマンショック直後の入社で景気もそれほどよくなくて、SIerオワコン説も蔓延る中でそんな状態だったので、だいぶ自分のキャリアにも悩む時期でした。(その後もずっと悩んでいますが)

勉強会や本で新たな知識を得ては、○○やりたい~、でも会社が~顧客が~と文句を言っていた時期でした。リーダーをする機会も次第に増えて、マネジメント的な役割が求められるようになったのも、理想と現実のギャップを大きくしていたなと思います。

その後、大規模で超炎上したプロジェクトにぶちあたり、壮絶なストレス下で仕事をする時期がくるのですが、火消しで入ってくれたマネージャーに「あんたらは技術はあるんだから自信もって作れ、面倒事は何とかするから安心しなさい」的なことを言われて、自分のやってることに自信を取り戻しました。また逆に、火消しで入っていただいた真の敏腕エンジニアの人たちの力も思い知ることになりました。

そこからはグチグチいうのを止めました。

エンジニアとして頑張りたいけど、自分なんかよりもっと凄い人は社内にも一杯いるし、じゃあ自分の専門性って何か?力を発揮できるポジションって何なんだろう?と、この頃から現実と真面目に向き合うことができてきた気がします。

その後は、自社サービスを立ち上げたりアジャイルやろうという機運が高まってきた中で、施策の企画や推進をしたり、顧客の開発プロジェクトでPMやスクラムマスターなどの役回りを経験させてもらいました。使う技術もモダン(AWS偏重)になり、それ系の勉強会参加や資格取得も頑張りました。

現在も、尊敬できる上司や同僚と働けていますし、優秀で新進気鋭なエンジニアから常に刺激を受けたり勉強させていただく日々が続いています。私が入社した頃と比べて、最近の新卒は意識もスキルも高くて尊敬の念に堪えません。

振り返ってみると人に恵まれた12年間だったと感じます。業務や技術的な内容よりも、その時々でお世話になった上司や同僚の顔と名前の方が沢山思い浮かんできます。

また、人の顔が浮かぶ割には、お客様の顔は浮かんできません。(良いお客様と沢山めぐり合わせていただいたはずなんですが…)未だに顧客対応は苦手意識があって、内弁慶な性格なんだと痛感します。これは今後直していかなければいけない自分の課題です。

かなりバックグラウンドの異なるマネージャーの元を転々としてきましたが、どこでも(多分)好意的に受け入れていただき、学びのある業務を任せていただいたことに感謝しています。この会社じゃないと得られなかった財産だと思うので、素直に入社して良かったと感じています。

これから

一方で、振り返ったときに自社の人間の顔しか浮かんでこないということへの反省もあります。ネット上のコミュニティを見てると、もっと社外の枠組みで活躍して広い人脈を作ってる人を沢山見かけるので、正直そういうところに焦りを感じます。

また、ソフトウェアエンジニアとして枯れないためにまだまだコードを書きたい気持ちもありつつ、求められる成果を出すためには組織マネジメントも必要になるはずで、そんな中でどういう立ち振る舞いをすればよいのかまだわかっていないです。

こう書くと迷ってばかりなんですが、理想はあるので、自分自身や組織を良い方向に持っていけるよう、これからも頑張りたいと思います。