ここ1年くらい、子供を連れて図書館に行くのが休日の日課になっています。まあ、子供に読書習慣を付けさせたいという親の勝手な思いからですが、行ってみるとこれが結構楽しい。なるべく子供の興味を引こうと、今嵌っているものを題材にした絵本や児童書をあれこれ探すのですが、今回見つけた本がこれ。
先日終幕した北京オリンピック、ウィンタースポーツ未経験の我が子でも面白いらしく、食い入るように見ていました。連日のように日本の活躍が報道され、中でもスピードスケートの高木選手の快進撃はテレビやSNSを賑わせていましたが、スピードスケートと言えば、オレンジのユニフォームが一際目を引くオランダですよね。必ず上位に食い込いこんでくる、言わずと知れたスケート強豪国。この本は、そんなオランダのドイツ占領下時代が舞台です。
ネーデルラント(=低地地方)の名前の通り、オランダには山が無いのでスキーはできません。だからスケートをするしかない。ここまでならまあ大人の知識で予想できるんですが、じゃあオランダ人のアイススケートへの情熱が実際どれほどのものかというと、この絵本で紹介されている『エルフステーデントホト』を知ればわかります。
オランダは国中に張り巡らされた水路や運河があり、冬になると凍った運河で大人から子供まで誰もがスケートを楽しみます。北部の11の町を繋ぐ運河が厚い氷に覆われたときに開催されるスケートレースが『エルフステーデントホト』で、そのコース距離は実に200kmに及ぶそうです。
その『エルフステーデントホト』に憧れる少年ピートは、真冬の運河をスケートで滑りぬけ、ドイツ軍の目を掻い潜ってベルギーへ向かうという、命がけのスケートレースに挑む…そんな素敵な冒険物語でした。
絵本の割には文字が多く、戦時下のヨーロッパという背景設定も相まって、小学校の中学年くらいにならないと少し難しい内容かもしれません。うちはまだちょっと早かったかな。
また4年後の冬に、子供と読み返したいですね。親子でのオリンピック観戦、今よりもう少しだけ深く味わえるようになるかも。