頭ん中

しがないITエンジニアが、考えた事を書きます。

共働き世帯が転勤で保活(転園)&引越した話

家族背景

  • 大阪市在住の共働き夫婦(別の会社で業種も違うけど2人ともフルタイム勤務)
  • 息子は市内の保育園(年少クラス)
  • 夫婦とも実家は遠く頼れない

転勤辞令と家族会議

東京への転勤辞令(9/1付け)が出たことを同僚からのSlackで知ったのは、8月半ばのお盆休み中のことでした。

さっそく妻と今後について話し合います。もし転勤になった場合にどうするかという大凡の方針は、以前から2人で段取りを決めていたつもりでしたが、いざこうなってみると、なかなか細かいところの合意形成が大変です(揉めます)。

どうにか2人で出した結論は以下の通り。

  • 妻は会社へ東京への転勤希望を出す。
  • 私は会社へ赴任時期を調整してもらえるよう交渉する。
  • 同じタイミングで転勤できない場合、東京へ行く方は単身赴任(大阪に残る方がワンオペ)する。
  • ただしこれは上限3ヶ月として、それ以上続くようであれば、どちらかが仕事を辞める。

どっちが辞めるか核心には触れない玉虫色の結論ですが、まずは会社の良心に期待して、それで駄目なら改めて考えようということにしました。*1

保育園手続きの下調べ

まずは今後どういった手順を踏めばいいのか、情報収集をはじめます。

入所申請の締切

途中入所の場合、おおよそどこの自治体も入所の前月の10日前後が締切です。ただし、転園の場合、書類等の受付窓口は今住んでいる自治体(つまり私の場合は大阪)になるため、そこから東京へ郵送されることを考えると、万一の記載不備を考慮して、入所月の前々月末までに提出した方がよさそうです。また、多くの自治体で1月~3月は途中入所ができません。なお、毎年4月一斉入所の一次募集締切は前年10月~11月です。

今から8月末までの2週間のうちに家を決め、保育園を決め、書類を提出するなんてのは到底無理なので、この時点で9月末までに申込→11/1入所(そして東京赴任)が現実的な最短コースと認識します。また、会社との調整如何によっては年明けの入所になる可能性もあるため、このあたりのルールはしっかり頭に入れておきます。

調整指数の加点なし

最も致命的だったのが、その自治体に住んでいない場合、住宅の賃貸契約書などを提出し、確実に住人になる予定だと証明しないと申請ができないという点です。さらに、自治体によって保育調整指数の加点が一切ありません。最弱です。

申請の時点で賃貸契約書を用意するだけでも難しいと思うのですが、住所変更をそれまでに済ませるなんてのは到底無理な話です。そもそも転出してしまうと元の自治体の保育園は退所しないといけない場合も多く、転勤族は事実上、空き枠のある保育園にしか入れないということになります。

会社との交渉

下調べの段階から既に絶望的な雰囲気が漂ってきましたが、休み明けからは会社との交渉に挑みます。

上述した保育園の手続き的な制約など、とにかく方々へ色々訴えた結果、赴任時期は10月~最悪来年4月の範囲で調整してくれることになりました。さらに、妻も会社へ転勤希望を出したところ、11月から東京で働けることに決まります。

予想外に会社との調整が上手くいったため、少しだけ光明が見えてきました(溜飲も下がってきた)。

保育園探し

11月入所で予定が立ったため、急いで保育園探しを始めます。

空き状況の整理

まずは大雑把に自治体ごとの保育園の定員状況を確認すると、幸いにも3歳児の空き枠はそこそこある。とはいえ完全に埋まっている自治体も少なくないため、通勤の便や現実的に住めない場所(千代田区など)を除くと、東京の2つの区に絞られました。

次は、区のWebサイトに掲示される保育園の概要情報と空き状況を見ながら、Googleマップにひたすらピンを指していきます。多くは望めない状況ですが、やはり勤務時間を考慮すると遅い時間まで預かって貰える保育園にしたかったため、それが分かるようにマッピングしました。

www.google.com

東京は凄いですね。大阪では保育時間が長くても19時半、極まれに20時といった感じでしたが、東京には20時過ぎまで見てくれる園がごろごろあります。

もっとも、大阪では通勤徒歩圏内だったのに、東京だと電車を使っても通勤に1時間弱かかるため、時間的にはむしろちょっと辛くなるのですが。仕方ない。

志望園の絞り込み

遠方のため見学にも行けず、リアルな口コミも聞けないため、保育園選びのために手に入る情報はかなり限られます。

思えばほんの1年前、大阪で「ここは園庭が大きいな~」とか「先生が厳しそうだな~」とか思いながら保育園の見学にまわり、ようやく入所した保育園も、結局たったの半年で退所することになり、ドタバタの中で調査らしい調査もできないまま決めた東京の保育園に行くことなるのだと思うと、泣けてきます。

結局、通勤するのに適当な駅から、ギリギリ毎朝送り迎えできる圏内の、3つほどの園に絞ります。決め手は、募集している保育士の待遇がいい事業者かどうか、あとは1年前の保育園探し経験からくるフィーリングでした。

家探し

保育園の位置を不動産屋さんに共有し、ようやく家探しです。この時点でまだ9月上旬なんですが、11/1もしくは10月末入居というのがネックになり、なかなか家が決まらない。強欲な大家さんはもっと早くに入居して欲しいという。やっぱり東京は貸し手市場なんだなと実感します。

結局、ちょうど入居可能時期が10月後半以降という物件で決まり。物件の内覧はできませんが、住所地を確定しないと保育園の入所申込できないので、決めるしかありません。

その後

こうして何とか保育園を選び、家を決め、保育園の入所書類を揃えて、9月中に申込書類の提出が完了。無事に保育園入所の案内が来たのは10月の後半に差し掛かる頃、引越し日の1週間前です。

枠が空いてる保育園を志望しているし、念のため第1志望から第○志望まで記載枠一杯に申込用紙は埋めていますが、それでもこの時期まで合否が分からないのは、なかなか生きた心地がしませんでした。

さいごに

教訓

転勤に伴う保活でしんどかったことをまとめます。

  • 保育園の空きが無い。おそらくここ数年でだいぶマシにはなってはいるが、それでも住む場所は自由に選べない。そもそも子供の年齢や時期によっては即詰み。
  • 家を決めないと入所申込ができない。だからといって早めに物件を決めようとしても大家から貸し渋られたりする。(二重家賃や礼金の積増しを許容できる経済力があればこの限りではない)
  • 現地に行けない。園の見学も、自治体の窓口も、物件探しも、全部遠隔でやるしかない。(夫婦どちらかが仕事を長期間休むことができればこの限りではない)
  • 子供への負担。新しい環境に飛び込むのは子供ながら不安もあるだろうに、それを和らげるための家探しや保育園探しを十分にしてあげられない罪悪感がある。

保育園の募集要項は細かいところで自治体ごと違うため、かなり慎重に読んで理解する必要があります。今回ここに書いたのも、あくまで私が大阪から東京へ引越した話で、さらに来月・来年は違う可能性もあるので、鵜呑みにはしないでください。*2

いいたいこと

私の会社が赴任時期を都合してくれたり、妻の会社が家庭の事情に合わせて転勤させてくれたり、子供が3歳児だったり、大阪の保育園や託児所(引越し期間中は毎日子供を遅くまで預かって良くして頂いた)そして東京の新しい保育園にも恵まれたりと、いくつもの幸運もあって、私たち家族は何とか乗り切ることはできましたが、何か1つでも欠けていたら、おそらく夫婦2人とも今と同じ会社で仕事を続けることはできなかったと思います。

会社や自治体や保育園や不動産屋や引越業者、それぞれいろんな背景・理由があるとは思うので、あんまり自身の不幸を理由にして不満を垂れるつもりはないのですが*3、ひとつだけ。

今回、会社の様々な制度を改めて知る機会があり、「それってパートナーが専業主婦(夫)であることが前提じゃん?」と感じる仕組みが散見されました。育児協業や夫婦共働きでのキャリア形成は国も推奨する社会的な動きだと理解していますが、そんな流れの中にあって、もうちょっと会社の制度的・人間的な家庭への配慮があってもいいのでは、と思います。

全国の共働き世帯、保活に奔走する親たち、そして子供たちに幸あれ。

*1:今月から改めてデュアルキャリア・カップルの幸福論について妻と議論を始めたところ。今回のことは、普段から2人の共通意識を作っておくことが如何に大事か痛感する出来事になりました。

*2:大阪の時も、市外で待機児童→市内で小規模に入所→認可に転園と、割と保活をしてきたつもりでいますが、よどきかくさんには本当にお世話になりました。こんな感じのリアルな東京エリアの情報を発信しているサイトに出会えていません。

*3:保活関連の情報収集をしていると、自分が大変なあまり周囲に対して攻撃的な意見がとても目につくんですよね。保育園、市の担当者、会社の人事、パートナーとか。気持ちはすごい分かるのですが、そんな中でも周囲とうまくやっていった方が自然と物事が良い方へ向かうとと思うんです。